エンタメ業界への道を切り拓いた諦めない心

エンタメ業界への道を切り拓いた諦めない心

テクノロジーの進化・発展に伴い音楽の聴き方が変化する中で、デジタル部門強化に取り組んでいるポニーキャニオン。その音楽マーケティング部 デジタルプランニンググループにて活躍するのが村上 史花です。一度は閉ざされた扉を開いてポニーキャニオンに入社、音楽愛を貫く村上の一意専心な歩みをたどります。

▲音楽マーケティング部の村上 史花。エンタメ業界をめざすきっかけは大学の音楽学科での学びでした
▲音楽マーケティング部の村上 史花。エンタメ業界をめざすきっかけは大学の音楽学科での学びでした

音楽を愛し真っ直ぐ育った学生時代

村上の音楽愛が目覚めたのは、4歳のころ。自ら望んで始めたピアノレッスンがきっかけとなりました。

村上

自分では覚えていないんですが、先にピアノを習っていた姉を見て、自分から『ピアノを習いたい!』って言い出したみたいです。練習はそんなに好きではなかったものの(笑)、発表会に出たり、学校の授業やイベントでピアノを弾いたり合奏のリーダーになったりするのがすごく楽しくて。

小学校3年生のときに引っ越してピアノの先生が代わったのですが、その先生が声楽も教えていらっしゃったので、ピアノと同時に歌のレッスンも始めてみたんですね。声楽のレッスンは、体を動かしながら声を出したり、滑舌がよくなるトレーニングをしたり、お腹を支えられながら大きい声を出したりといった発声練習がほとんど。やっていくうちにピアノよりも歌のほうが好きになって、高校生になってからは本格的に声楽を習い始めました。

勉強で大学に行くか音楽で大学に行くか、高校3年生の冬まで悩んだんです。センター試験(大学入学共通テスト)を受けて、その後に“やっぱり音楽を受験したい!”と心に決めて、大学の音楽学科を受けました

合格通知が届き、晴れて音楽学科に入学。音楽文化専攻で、音楽文化を深く理解するとともに音楽創作・音楽療法・音楽教育などを通して多様化する社会に貢献する能力を培うための学びを重ねる中で、音楽のほかにミュージカルやお笑いなど幅広いエンターテイメントに興味を持っていた村上は、人々が笑顔になったり感動できたりするエンターテイメントに携わる仕事をしたいという気持ちを抱くようになります。

村上

就職活動中、エンタメ業界でいくつか選考を受けた中で、もっとも惹かれたのが500人弱という少数精鋭で多彩なエンタメコンテンツを扱っているポニーキャニオン。きっと働きがいがあるだろうな、たくさんのことを吸収して学べそうだなと感じて第1志望でエントリーしました

しかし、このときは残念ながら選に漏れてしまいます。ほかに内定をもらっていたエンタメ系企業もありましたが、村上は意外な決断をします。人材業界へと目を向けたのです。

村上

いつかエンタメ業界に行くために、自分に足りていないビジネス観点や社会人としてのスキルをしっかり身につけようと思いまして。人を感動させる、人を動かすという点で通じるものがあるであろう、人に関する業界、人材業界を選びました

ファーストキャリアはまさかの人材業界、しかも営業職

▲ビジネス的観点、社会人としてのスキル、エンタメ業界に入るまでの2年間は有意義な時間でした
▲ビジネス的観点、社会人としてのスキル、エンタメ業界に入るまでの2年間は有意義な時間でした

いつかエンタメ業界に、という強い決意を胸に地元・京都を離れて上京し、人材業界大手の総合人材サービス企業に就職した村上。2年間、人事・経営課題を解決するソリューション型の提案をする営業職に就きました。

村上

ノルマをクリアして達成率を上げるために、とにかく電話して訪問してという仕事の仕方で。すごいところに来ちゃったなと最初は面食らいました。

そこで出会ったのは、将来的に社長になりたいとか、いずれ自分で起業したいとか、そのためにまずは人材業界で学ぼうっていう自分と似たような発想の人ばかり。お互いに理解し合って苦労を分かち合える仲間もたくさんできました。仕事で人の転職を支援してるからか社員の出入りも激しいし、ゆくゆくはエンタメ業界に行きたい、将来のために必要なことをしっかり身につけたいと考える私に否定的な上司もいなくて。毎日とても刺激的だったし、めちゃくちゃ楽しかったです。

人材業界での営業職を通して、視野を広く持つことも学べたと思います。教職に就いている両親はお金儲け的な考えがあまりなくて、私も人の心を癒すために音楽を続けていたし、ビジネス的な観点がほんとない育ち方をしてきたので、営業するときに提案する金額が大きいと申し訳なくて、どうすれば金額を抑えられるかを採用企業の人事担当者と一緒に考える、みたいな営業を初めはしてしまっていたんですね。

すると、上司に『採用できることが第一であって、金額を抑えることが企業にとって必ずしもよいことではない』という考えてみれば当たり前の指摘をされて。確かに、目先の優しさより、目的をもって意見を言ったり提案をしたりするほうが相手のためになる。自信を持ってそういう言動をするにはもっと学ばないといけないし、知識をつけなくてはいけないということを知れました

もともと努力家の村上。驚異の適応力と揺るがぬ覚悟で、自ら成長を感じられた2年間でもあったといいます。

村上

新しい世界で、今まで触れ合ってきたことない人たち、尊敬できる人たちにたくさん出会って。周りの人みんな絶対にサボらないし、上昇志向が強いので、“自分も負けていられない!”という気持ちで頑張れたんだと思います。エンタメという一見全然違う目標で遠回りはしたのかもしれないですけど、営業の2年間はすごく濃密だったし、無駄なことはひとつもなかったなと思います

再度の挑戦で念願のポニーキャニオンへ

▲「貴重な機会なので…」ご家族からプレゼントされた洋服をコーディネート
▲「貴重な機会なので…」ご家族からプレゼントされた洋服をコーディネート

人材業界で営業職として忙しい日々を送るいっぽう、エンタメ業界へ転職したい気持ち、その希望の火は変わらずに村上の胸の内で灯り続けていました。

村上

人材業界で営業として目標達成できるようになり、ステップアップできている実感もできるようになってくると、やはりエンタメ業界に行きたいなという想いが湧き上がってきまして。

そんなとき、ポニーキャニオンの第2新卒採用情報を見つけたんです。私が新卒でエントリーしたときにはなかった第2新卒の枠に、営業のノウハウやビジネススキルを人にアピールできるくらいには経験を積めたなと思えるタイミングで出会ったら……これはもう運命だと思うじゃないですか(笑)。転職したいというよりは、ポニーキャニオンに入りたい。その一心で挑戦してみたんです。

最初の面接で、新卒採用試験を受けたこと、人材業界に就職したのはエンタメ業界で必要なスキルを身につけるため、なんならポニーキャニオンに入るためだったから、『入れなかったら嫌です!そのために2年間頑張りました!』っていうことは正直に伝えました

村上のもとに届いたのは、採用通知。並々ならぬ熱情が伝わったのです。

村上

『入れなかったら嫌です!』と言ったものの、実際に内定をもらえるとは思っていなかったのでびっくりしました。ずっと願っていたことだったので本当に嬉しかったし、諦めなくてよかった。やっぱり営業での2年間は無駄ではなかったんだと心から思いました

喜びを胸に、ポニーキャニオンに入社。最初に配属された営業部ではそれまでとの違いに戸惑いながらも、多くの学びを得ました。

村上

自分が人材業界の営業職で得たものも生かせたらいいなという期待も抱きつつ、CDやDVDなどのパッケージを売る営業部署に入ってみれば、ひとくちに“営業”と言っても人材業界と音楽業界では違うことも多くて。

人材業界では、新規開拓の電話や訪問も多々ありロジカルに説得する術を学んできましたが、ポニーキャニオンでの営業は自分の担当するCDショップは決まっていて、それぞれの店舗にどれだけ所属アーティストの作品を仕入れてもらうかの交渉をするのが自分の役目。会社同士で築いてきた信頼関係も大切にしながら、どう売っていこうか、どうイベントを仕掛けるかといった販売促進のコーディネートをする仕事なので、使う脳が異なるんです。

レコード会社の営業はいくら販売店にたくさんCDを置いてもらっても、それがさばけなかったらだめなわけで、たくさん仕入れてもらう=よいことではない。そういう違いもあります。

レコード会社の営業は制作部への確認、社内の調整も必要になるのですが、当時の上長が親身になってなんでも教えてくださったのは本当にありがたかったです。できる人の真似をするのが一番早い成長法だと前職でわかっていたので、上長の送るメール文面を参考にして、慣れてきたら自分なりの色づけをしていったりだとか。たくさん勉強させていただきました。

レコード会社の営業をしてみて一番感動したのは、自分が聴いていたアーティスト、知っているアーティストの作品を自分の提案もあって大きな看板で宣伝できたことです。地元・関西の店舗も担当させてもらっていたのですが、帰省した際にCDショップに飾られているその大きな看板を見たときには、飛び上がるほど嬉しかったです

デジタルマーケティングで遂げたさらなる能力開花

▲「どんな経験も絶対に無駄にならないと信じて、何度でも挑戦してみてください」
▲「どんな経験も絶対に無駄にならないと信じて、何度でも挑戦してみてください」

「デジタルマーケティングを学びたい」という希望通り、音楽デジタルマーケティング部(現:音楽マーケティング部)に異動したのは入社後2年目のことでした。

村上

アーティストの楽曲をデジタル上でどれだけ聴いてもらえるか、そのためのプロモーションを考える部署で、1年目はデジタルセールスグループで音楽配信サービス会社に対する営業をしていました。

CDショップに対してと音楽配信サービス会社に対してでは、同じ営業でも違うところがあって。対CDショップの場合はCDをどう売るか、どれだけいい場所に大きな看板を出せるかとか、そういう観点でCDショップの方と一緒に考えていたんですが、ストリーミングに関してはまず担当者とのコミュニケーションでアーティストや作品に合った展開枠をどれだけ獲得できるかが重要で。

なんとか展開枠を獲得できたとしてもユーザーに聴いてもらえなければ次の展開にはつながらないですから

前職で培った営業経験だけでは立ち向かえない難しい局面。それを乗り越えられたのは、持ち前のコミュニケーション能力と情報収集能力、情報感度があってこそです。

村上

音楽配信サービス会社の担当者に対して、まずは自社アーティストに興味を持ってもらう、さらには好きになってもらうために細かいアタックを重ねたり、ライブに来てもらったり。社内制作部にも協力してもらって、こちらの持っている情報を素早く、なおかつ期待感を持って伝達するということも重要です。

また、比較対象の動きや最新のバズりを把握しておくために、TikTokやXなどSNSをたくさん見て、なぜそのアーティストや曲が人気なのか要因を探って、自分が担当するアーティストに同じ要因があればそれをアピールしようとか。

デジタルに対する施策の場合、自分の成果が見えにくい部分は確かにあるんですが、社内コミュニケーションがうまくできて、展開枠が獲得できて、自分のプレゼンした曲の再生数が目に見えて上がったときは大きい達成感を得られました

現在、デジタルプランニンググループに移った村上は、キャリアで初めて、企画立案やマーケティング戦略に取り組んでいます。

村上

担当アーティストの楽曲をストリーミング配信でどれだけバズらせるかとか、どれだけ配信数を増やすかというところでプロモーション案を立て、それを営業担当に渡すというのが私の役目です。

新人からベテランまで多数担当していて、複数案件が同時進行していたりもするので、タスク管理はマストですね。いろいろなジャンルのアーティストを担当してるからこそプロモーションで使える事例、アイデアが溜まっていくのでチーム内で共有するようにしています。

よりシビアに数字の動向を分析して追いかけなければいけないので、常にアンテナを張っておくことも心がけています。これまであまりアニメを観たことはなかったのですが、今バズっている曲はアニメのタイアップがとても多いので、最近はアニメを観るようになりました。

次はどのアニメが流行るかを予測して、なんならマンガにも興味を広げてアニメ化や実写化されそうな作品をチェックしていたりもします

「毎日忙しいけれど、とても楽しい」と笑顔を見せる村上。その原動力は、“好き”という気持ちです。

村上

私はずっとエンタメが好きなので。音楽、エンタメに関わっていること自体が、仕事のモチベーションになっているんです。もちろん大変なこともあるのですが、一度はダメだったけどもう一度挑戦して好きなことを仕事にできているというのはとても幸せだし、エンタメ業界に入るまでに頑張った2年間が自分を支えてくれている気もします。

ポニーキャニオンは社内外の人を動かすための社内伝達とか社内コミュニケーションが活発だし、自分が困ったときには相談できるし、とても風通しがよくて。ありがたい環境で、この先もマーケティングの知識やスキルを高めていきたいです

諦めずに“好き”を仕事にした村上。夢を追う人に伝えたいのはどんな言葉なのでしょうか。

村上

直接的であれ間接的であれ、どの仕事もきっと人のためになっているし、貴重な経験を積めていると思います。もし今の仕事が自分の第一志望のものではなかったとしても、自分の本当にやりたいこととの共通点を見つけ出して、どんな経験も絶対に無駄にならないと信じて、何度でも挑戦してみてください

※ 記事の部署名等はインタビュー当時のものとなります

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