私たちの仕事もエンターテイメントだ。コンテンツを裏で支える法務部門の思い

私たちの仕事もエンターテイメントだ。コンテンツを裏で支える法務部門の思い

著作権や肖像権など、さまざまな権利が絡むエンタメの世界では、さまざまな契約が発生します。当社でこれらの契約業務を担うのが法務本部です。あらゆる条件と法的根拠を照らし合わせながら、適切な契約を締結する。そこには企業内で法律に携わるプロとしての自負と、エンターテインメントへの情熱がありました。

日々リリースされるコンテンツの、あらゆる契約業務を担う法務

▲法務部を束ねる部長・伊藤倫生と第一法務グループ・西田春香。「今日のお昼は?」仕事を離れて談笑中!
▲法務部を束ねる部長・伊藤倫生と第一法務グループ・西田春香。「今日のお昼は?」仕事を離れて談笑中!

映像や音楽、アニメなど、日々多数のエンターテインメント作品をリリースしているポニーキャニオン。そのすべての契約業務を担っているのが法務本部です。法務本部内には、主に映像関連の契約を扱う第一法務グループと、音楽関連の契約を扱う第二法務グループ、印税を管理する分配管理グループがあり、一つひとつのコンテンツについて、契約の締結や契約書の管理といった業務を行っています。

現在部長としてこの三つのグループを束ねているのが伊藤。第一法務グループに所属し、映像関連の契約業務を手掛けているのが西田です。 

西田

基本的に経済条件も含めた諸々の契約内容は、現場の制作担当や営業担当が固めてきます。その内容を精査し、契約書に落とし込んでいくところからが、私たち法務本部の主な仕事です。作品ごとに契約を結ぶ必要があるので、取り扱う案件が多いうえ、それぞれの作品に多くの企業がかかわっているため、契約本数は相当な数になります

契約事の多さは、他業界とは比べ物にならないエンターテインメント業界。メーカーでの法務経験を持つ伊藤は、一般的な企業の法務部との違いをこう語ります。 

伊藤

前職のパソコンメーカーでは、パーツの仕入れ先や販売店などと一旦基本契約を結びさえすれば、後は発注書ベースで物の売り買いができるため、新規の取引先が出てきたときに、新たに契約を結ぶという流れでした。一方でポニーキャニオンの場合は、新しい取引先はあまりありませんが、作品が発生したら、その都度、いろんな会社と契約を結ばなければなりません。例えば映画やアニメなら、製作委員会に参加する出版社やTV局、映像会社などそれぞれと契約を結ぶわけです。四六時中、多種多様な会社と、さまざまな契約を結んでいるという状況です

法を守りながらも、現場の思いや背景をくみ取り判断を

▲穏やかに微笑んでいるが、これまでのキャリアから”どの業態の法務でもどんとこい!”の頼もしさがのぞく
▲穏やかに微笑んでいるが、これまでのキャリアから”どの業態の法務でもどんとこい!”の頼もしさがのぞく

日々の仕事の多くは、こうした多種多様な案件に対して、その契約書に書かれている言葉一つひとつをチェックしていく地道な作業。なかには驚くような条件が、盛り込まれているものもあるため、気は抜けません。

伊藤

当社にとって不利な条件が、何気なく書かれていることがあるんです。それを見抜いて、削除したり修正依頼を加えたりするのは、法務の重要な役割ですね

西田

また細かい部分でいえば、作品を作ったり動かすためのプロジェクトや当社の持つ権利を運用するうえで、スムーズに事を運ぶことが実務上難しく、結果的に相手先のためにもならないと思われる条件が含まれていることもあるので、実際に日常の業務ではどう動いているかを社内の関係各所にインタビューしつつ、必要あれば、該当する条件について相手先に調整させてもらうようお願いすることもあります

伊藤も西田も、会社のダメージを回避することで、仕事を円滑に進めるための下支えをしているというところが、この仕事の魅力であり、自分たちの役割であると語ります。

一方で、常に契約内容の細部にまで目を光らせる法務は、ともすれば営業や制作セクションとぶつかるイメージがありますが、伊藤や西田はそうしたハレーションが起こらないよう、常に現場を意識しながら仕事を進めています。

西田

作品を作ったり運用したりするという点で最前線に立っているのは制作担当や営業担当なので、当社の担当者とその担当者が向き合う企業の皆さんとの関係を、契約書の内容についてやり取りをする中であまり乱さないようにするよう心掛けています。ただ会社の立場としては、どうしても受け入れられないこともあります。そういう場合は、どの条件を飲んで、どの条件を譲ってもらうかについては、内容に応じてバランスを見ながら対応するようにしています

伊藤

会社によっては現場が過度に力を持っていたり、逆に法務の圧力が強かったりすることがありますが、ポニーキャニオンは現場と法務がフラットな関係なんです。お互い思惑があり、いろいろ意見は交わしますが、喧嘩してもの別れになることはありません。お互いに理解し合える関係にはあるのは、当社の素晴らしい部分だと思っています

言うべきことを言いつつも、現場サイドと取引先となる企業との関係性など、その背景までを見据えて判断を下す。杓子定規に法律を振りかざすのではなく、現場と常にコミュニケーションを取りながら仕事を進めるスタンスが、お互いの良い関係を生み出しています。

エンターテインメントが取り持った、会社との縁

▲左:伊藤、右:西田 可愛すぎる幼少時代(笑) 当たり前だが〇年後一緒の職場で働くとは思いもよらず。。。
▲左:伊藤、右:西田 可愛すぎる幼少時代(笑) 当たり前だが〇年後一緒の職場で働くとは思いもよらず。。。

他社で法務の経験を積み、中途で入社した伊藤と、新卒で入社した西田。それぞれ歩んできた道は違いますが、二人ともエンターテインメントの業界には、少なからずご縁がありました。

西田

私がこの業界に興味を持ったのは、中学生の頃。アニメや音楽に興味を持ち始めたのがきっかけでした。中学校の修学旅行では、社会見学の一環で、いくつかの企業の中から自分の気になる企業を訪問することができたのですが、私はどうしてもこの業界が見たくて、先生に頼み込んで、企業訪問のプランにはなかったあるレコード会社を見学させてもらったんです。絶対にこの業界で働きたいと思ったのは、その時ですね

大学で法学を学んでいる間も、エンターテインメントの企業に入りたいという一心だったという西田。念願が叶いポニーキャニオンに入社し、1年間の営業経験の後、法務本部に異動したのでした。 

一方、社会人になってからずっと法務畑を歩んできたという伊藤。ウエディングプロデュースの会社から、メーカー(持株会社)を経て、ポニーキャニオンに入社しました。

メーカーでは、法務だけでなく、総務人事やIRなどの業務も手掛けながら、系列の商社や出版社、コールセンター、ネットカフェなどの異業種企業にも関与してきたという、幅広い経歴の持ち主です。

伊藤

とにかくいろいろなビジネスを見て、どの業態の法務でもやっていけるという自信が持てるようになりました。そんな時に声をかけてもらった企業の一つが、ポニーキャニオンでした。後でわかったことですが、実はポニーキャニオンには私が昔大好きだったアーティストが所属していて、そのアーティストの当時の担当ディレクターが、今隣のデスクで仕事をしている法務のマネージャーなんです。正直、運命的なものを感じました

人生の決断には、必ずエンターテインメントがあったという西田と、偶然入った業界で、自身の思い入れのあるアーティストのつながりを知った伊藤。

二人は、仕事にも、会社にも大きな魅力を感じているといいます。

西田

エンターテインメントの業界を目指してきた私にとっては、やはり色々なコンテンツと寄り添える仕事は本当に楽しいんです。そこに自分が培ってきた法務のスキルを役立てることができるこの仕事は、本当に魅力的だと思っています

伊藤

私は転職組ですから、最初は新参者の私を受け入れてくれるのかという心配はありました。でも人間味のある人が多く、普通に溶け込ませてもらえました。現在業界的には厳しい面もありますが、部門長の皆さんは、この会社を良くするにはどうすべきかを真剣に考えています。だから私もそこに入って、一緒に会社を良くしていきたい。そう思える会社に出会えたことは、本当に幸せだと思います

会社の新たなチャレンジを支えるため、自分たちもチャレンジを続ける

▲「法務の仕事が好きです」何よりも素敵な言葉だと思う。
▲「法務の仕事が好きです」何よりも素敵な言葉だと思う。

会社や仕事に魅力があるからこそ、自分たちのスキルを生かして、会社をもっと良くしていきたい。そう考える二人が実践しているのが、より現場に入り込んで、仕事をするということです。

西田

法務部は、一般的にどうしても高圧的なイメージを持たれやすいのですが、私自身は現場の皆さんと同じ土俵の上に立っている気持ちで仕事に臨むよう心掛けています。だから、言葉の遣い方と言葉の選び方はすごく注意しています。例えばメールを返す時でも、相手のことを思うように丁寧な言葉を使ったり、ときにはフランクな言葉を使いながらもあまり突き放すような言い方にならないように工夫したり。契約書での言葉遣いに注意するのと同じぐらい、常に心掛けている部分です

伊藤

法律という固いところから降りていき、話を聞くことがすごく大事だし、メンバーは実際にそれをやってくれていると思います。それには理由があって、実は法務本部には法務出身の人間が少ないんです。現場の制作ディレクターや映像担当が法務部に来ているので、現場がどう考え、何を悩んでいるのかが分かる。そこを同じ目線で見られているのは、当社の法務本部の強みだと思っています

法律という絶対的なものを盾に、奢りたかぶった指摘をするのではなく、現場と共に悩み、考える。こうした姿勢が、先にも述べた現場とのフラットな関係性を築き上げているといえます。

西田

そういう意味では、私は現場での経験が少ないので、ステップアップするためには、自分の目でもっと現場を見ないといけないなと感じています。法務の仕事が好きで、ずっと続けたいと思っているので、本当は離れたくはないのですが、法務の仕事をより充実したものにするために、いろいろな部署で経験を積むことも必要かなと思っています

伊藤

業界自体が大きく変わるなか、われわれも新しいチャレンジをしていかなければなりません。今、地域活性など新規事業が始まっていますが、新しい事業が始まれば、そこにかかわる法律や、潜んでいるリスクを考える必要がある。そこは多くの事業の成功や失敗を経験してきた私の出番です。今までの集大成として、見てきたもの、やってきたことを生かし、メンバーと一緒に会社に貢献していきたいと思っています

若手の熱意とベテランの経験が融合し、一つの方向に向かう力を生み出しているポニーキャニオンの法務本部。会社の新たなチャレンジを支えるため、彼らも自身もまた成長のためのチャレンジを続けています。

※記事の部署名等はインタビュー当時のものとなります。
その他の記事はtalentbookに掲載中!こちらへ

記事を一覧で見る

Culture,
Future,
Adventureタグラインについて

Serviceサービス紹介

Contact
Twitter Instagram facebook LINE Youtube
Jp En

当サイトでは、お客様のニーズに合ったより良いサービスを提供するために、Cookieを使用しています。サイトの閲覧を続行した場合、Cookieの使用に同意したことになります。詳しくは、プライバシーポリシーをご覧ください。